読書は自分探し

自分探しをしている人に向け、小説を中心に本の紹介をします。読書には奥深い魅力があり、その魅力の一つが自分探しができる点です。あなたも読書を通して、自分探しの旅に出かけてみませんか?

今日もどこかで女子会が。友情って何なのだろう。


あなたは「友達が欲しい」
と思ったことはありますか?


あなたは「誰かと繋がっていたい」
と思ったことはありますか?


きっと誰しも一度は「友達が欲しい」
と感じたことがあるのではないでしょうか。



「友達がいない」


「何で私には友達ができないの?」


「たわいもない会話を交わせる
友達が欲しい」


「共通の趣味について語り合える
友達が欲しい」


「私のことを理解してくれる
友達が欲しい」


「ひとりでいるのは孤独。」


「誰かに認めてもらいたい。」


「誰かに必要とされたい。」


「辛いとき頼れる存在がいれば…。」



こんなふうに「友達」について
思い描いたことがあるのでは
ないでしょうか。



いつのまにか「友達」を得ることに
夢中になって「友達」の意味を
考えることができなくなってしまった
ことがあるのではないでしょうか。


「友達」という言葉は優しい。


友達のことを想うだけで、
柔らかな時が流れていくような。


いつまでも変わらない関係。


強い絆で結ばれた関係。


そんな関係を築くことを
多くの人が願っていることでしょう。



しかし、時に「友達」という言葉は
危うさを感じさせるのも確か。


友達のことを想うだけで、
心が乱れてしまうような。


少し気を緩めたら
一瞬で綻んでしまうような


脆くて弱い関係でもあるんです。



そんなことを考えさせてくれた
一冊の本があります。



私はこの本を読み、「友情とは何か」を
深く考えることができました。



「私が求めているものは
本当の友情と言えるのか…?」



あなたもこの本を読み、「友情とは何か」を
見つめ直してみませんか?





その本とは………



柚木麻子さんの
ナイルパーチの女子会』
です!!!



ナイルパーチの女子会って何だろう?」
と思いましたよね。



実は私も何だかこのタイトルと表紙の挿し絵
が気になってこの本を手に取りました。



ナイルパーチ」とは、
アフリカで生息する魚のことなのですが、


私が思い浮かべてしまった
ナイルパーチ」はお洋服のブランド
だったんです。


まさに「kawaii」って感じの…。


だから、柔らかな日常が、
キラキラと眩しく美しい女子会の様子が
描かれているものだと思っていました。



しかし、そうではありませんでした。



kawaii?」


まさか!



この本は、もっと、ねっとりとした
人間の暗い部分や闇に満ちた部分を
描いているんです。



決してキラキラとした女子たちの
友情を賛美しているものではなく、


「友情」や「人間」というものの
本質を見抜こうとした作品なのでは
ないでしょうか。



第28回山本周五郎賞
第3回高校生直木賞を受賞した
長編小説。



この本は誰もが抱く「友情」をめぐり、
胸をえぐられるような痛みや重さを
どんと押し付けてくるような、、、
衝撃的な本だったのです!



ここで簡単にあらすじを
紹介したいと思います。




大手商社に勤める栄利子と
ブロガーの翔子。



栄利子は見ず知らずの翔子が綴るブログを
毎日の楽しみにしていた。


そんなある時、ふたりは出会う。


かねてより「友情」に関しての問題を
抱えていたふたり。


ふたりの出会いは運命だったのか?


彼女たちは互いの何かに惹かれ、
意気投合したはずなのだが、


ある事件がきっかけで
ふたりの関係は変化していく………。




ふたりの運命はどこへ向かうのか?



ふたりは果たして「友達」になれるのか?



「本当の友情」とは何か?




そんなことを考えさせてくれる
一冊です!!!




「友情」って何なのでしょうか。


「友情」はどこまで人を突き動かす
のでしょうか。


人はなぜ人と繋がりたいのだろう。



この本を読んだとき、
「私はどうだろうか」と
自分を見つめ直したくなる。



今日もどこかで女子会が
開かれていることでしょう。


そんな女子会を眺めるとき、
ふたりの女性を思い出さずには
いられなくなる………


「人間の怖さ」さえも感じさせるのに
なぜかじんわり涙が流れてくるような
心にずしんとのしかかる作品です。



「友情って一体、、、。」


もしあなたが「友情」について
ひとりで悩み、苦しんでいるならば、
今すぐこの本を手に取り、
「友情とは何か」を見つめてみましょう!

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)